Y-271 ハルジョオン・ヒメジョオン

川向うの町から宵闇が来る
煙突も家並みも 切り絵になって
哀しいほど紅く
夕陽は熟れてゆくの
私だけが変わり みんなそのまま
松任谷由実ハルジョオンヒメジョオン
オリジナルアルバム『紅雀』より

秋になると聞きたくなるアルバムのひとつに『紅雀』があります。オープニングナンバーの「9月には帰らない」もその理由の大きな一つなのですが、何となくアルバム全体が秋っぽい雰囲気に包まれている気がするんです。
そして、そのオープニングナンバーから続くこの「ハルジョオンヒメジョオン」もそんな秋の雰囲気に満ちあふれた曲です。
ハルジョオンは春の草花として有名ですが、ヒメジョオンの方は秋に咲く花です。だから、ぼくはこの曲は春というよりも、むしろ秋の曲なんじゃないかと勝手に思っています。
それにしても、この曲も難解な曲。

越していった日から 顔も忘れた

ということから、相手はどこかへ引っ越してしまい、それから顔も忘れたということが推察されるのですが、その相手というのは

ヒメジョオンに埋もれて くちづけをした

相手だと思うのです。
では、

私だけが変わり みんなそのまま

とは、どういう意味なんでしょうか。
ぼくは幼い時の思い出を歌っていると思っています。
幼い頃に淡い想いを抱いていた人とのことを思い出している歌。そして、大人になって自分だけが成長したけれども、見ている風景、つまり川向うの町の風景などは変わっていないということなのか。
とか。

この曲を聴くたびに、ぼくが思い出すのは、足立区千住にあった母の実家です。その家から歩いて数分のところに荒川が流れていて、遊びに行くたびにその河原に遊びに行っていました。
その時の風景が思い浮かぶのです。
情緒あふれる、名曲です。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT ミニ正方形メモ帳<赤色日本景>
KEN'S NIGHT 3rd Track09 Preluede to a Kiss ※ラメ入り