Y-247 サファイアの9月の夕方

夢がちがってくことが
いつか責め合えなくなって淋しかったの
天文台のベンチに
コインで刻んだ昔 FOREVER の文字
二人 真剣だった
指でなぞってよ なつかしい傷あとを
松任谷由実サファイアの9月の夕方」
オリジナルアルバム『TEARS AND REASONS』より

9月というのは、ポップスの題材になりやすい月だとぼくは思っています。
国内では竹内まりや「September」、太田裕美「セプテンバーレイン」、クレイジーケンバンド「せぷてんばぁ」などがあり、海外でもEW&Fの「Sptember」というダンスフロアをにぎわした曲があるではないですか。
御多分に漏れず、ユーミンも「9月」をタイトルに冠した曲は何曲かあります。
「9月には帰らない」
「9月の蝉しぐれ
サファイアの9月の夕方」
「September Blue Moon」
と4曲もあるんですね。
そして、この「サファイアの9月の夕方」もまさにそんなユーミンお得意のセプテンバーソングの中の名曲です。
飛行機の離陸音から始まるこの曲は、ポップな曲ですが、彼の許から飛び立つわ、という決別の歌でもあります。
ユーミンのこういう別れの曲って、とにかくかっこいんですよね。乙女チックな部分もあるけど、でも、最終的には前向きに彼の元を去っていくという姿がかっこいいなと思います。
しかも、この曲は、自分の夢を叶えるために彼の元を離れるという男前な曲なわけであります。
ユーミンの失恋ソングにはよくこういうシチュエーションが登場します。「私を忘れる頃」はまさにそんな曲。

あなたに のぞまれても
捨てられなかった夢

夢がちがってくことが
いつか責め合えなくなって淋しかったの

につながるし、ここまではっきりと繋がってはいなくても、何となく似たようなシチュエーションはユーミンの曲にはたくさんあって、登場人物たちがみんな自立しているんですよね。そこにユーミンファンというのは共感するんじゃないかと思います。

ちなみに、サファイアは9月の誕生石。そんなところも計算して書かれているところもユーミンマジックかなと思います。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<流星摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 07 Stardust ※ラメ入り