Y-52 ノーサイド

何をゴールに決めて
何を犠牲にしたの 誰も知らず
歓声よりも長く
興奮よりも速く 走ろうとしていた あなたを
少しでもわかりたいから
人々がみんな立ち去っても私 ここにいるわ
松任谷由実ノーサイド
オリジナルアルバム『NO SIDE』より

次の年から改修工事が始まるという国立競技場で、2013年にユーミンが「ノーサイド」を歌った時、ぼくもスタジアムにいたのですが、いろんな意味で泣きました。

ぼくはもちろん、ラグビーをやったことないし、試合するちゃんと見たことないのに、泣けて泣けて仕方なかった。
ノーサイド~空耳のホイッスル」の歌詞を朗読した後に、正隆さんのピアノで歌い始めたユーミンの生歌も当然のことながら、それを聞いていたラガーマンたちが泣いていたんです。
ユーミンはもちろん、ラグビーの試合を見て、この曲を書いたというエピソードは知っていたけれども、まさか本当にラグビーの選手たちがこの曲を聴いていたとは思わなかったから。
ラガーマンユーミンなんて聞くわけないと勝手に思い込んでいたから、この曲を歌われたとしても、彼らは何もわかってくれないんじゃないか?という偏見めいたものを感じていたんです。
ところが、彼らの泣いている姿を見て、あぁ、やっぱりこの曲はラガーマンたちの(全員ではないとは思うけど)心をしっかりとつかんでいたんだなって思いました。
そして、この曲はラグビーをモチーフにはしているけれども、いろんなことに挑戦する人たちへのエールの曲だとぼくは思っています。
それをラグビーノーサイドになぞらえて歌っている。そういうところにぼくはユーミンの魅力というのはあるんじゃないかって思うんです。
ちなみに、余談ですが、元々この曲は麗美という歌手に提供した曲で、その時は歌詞の一部が違っていました。
「ゆるやかな 冬の日の黄昏に」の部分が「ゆるやかな 2月の黄昏に」だったんです。
なので、ぼくはこの曲は2月の曲だと思っているので、2月になったらご紹介しようと思っていたのでした。

<用紙&インク>    
KEN'S NIGHT 五線譜箋<雪景摩天楼>    
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track The First Time Ever I Saw Your Face