Y-51 ビュッフェにて

昔の友達と 今旅をしています
遠くを流れてゆく山の雪を見ながら
窓辺に運ばれた紅茶がゆれています
想い出たどるうちに冷くなってしまった
松任谷由実「ビュッフェにて」
オリジナルアルバム『昨晩お会いしましょう』より

メガヒットとなった「守ってあげたい」が収録されている『昨晩お会いしましょう』は独特の雰囲気を持ったアルバムだと思います。
「カンナ8号線」という、泣けちゃうけど踊れちゃう曲もあるものの、全体的にまったりとしたグルーヴ感に包まれているような気がするのです。
そんな中でもこの「ビュッフェにて」はまさにそういうグルーヴを感じる曲なのではないでしょうか。
イントロのリズムからしてまったりとしていて、ちょっと物憂げなユーミンの歌い方も、不思議な世界観を醸し出しています。
今やビュッフェなんて、遠い昔の懐かしい思い出になってしまったし、ぼくは残念ながらビュッフェで紅茶を飲んだ記憶もないのですが、この曲を聴くたびに、自分がビュッフェでお茶を飲む姿を妄想してしまいます。
この曲はユーミンがお得意とする未練タラタラソング。別れた男のことを「あなたも今頃は寂しく暮らしているとどこかで信じて」いたり、そんな彼を「どんな子も手に負えずに戻って来るの」を待っているというのは、究極の未練だと思いませんか?
でも、それをお洒落なメロディで歌っちゃうところに、ユーミンの怖さが潜んでいる気がしてなりません。
サウンド的に言うと「戻って来るの…」のあと、一瞬の休止部分が超おしゃれだと思います。
そして、ラストの「まだ愛してる~」のところ。もう、そこにこの女性の執着が現れています。
ほんと、そういうユーミン、大好き!
    
<用紙&インク>    
KEN'S NIGHT ミニ正方形メモ帳<赤色日本景>    
KEN'S NIGHT 1st Track 05 When You Wish upon a Star