Y-79 DAWN PURPLE

ほほをこぼれる涙は
許し合えた人へのペンダント
決して消えない証を 胸にかけて
手をふりたい 今ちぎれるほど
松任谷由実「DAWN PURPLE」
オリジナルアルバム『DAWN PURPLE』より

Delight Slight Light KISS(1988)
LOVE WARS(1989)
天国のドア(1990)
と年末に出るオリジナルアルバムがミリオンセラーを連発し、ユーミンが社会現象とまで言われた頃、次に出るアルバムは一体どんなアルバムか?と騒がれた時に出たのが
23枚目のアルバム「DAWN PURPLE」です。
いくつかのヒット曲はあるものの、それまでの3枚のアルバムと比較すると非常に地味で、当時ぼくは正直、ちょっとがっかりしました。
あら?ちょっと、イケイケのユーミンはどこ行っちゃったの?って。
でもね、今改めて聞き直すと、全然、イケイケではあるんですよね。それまでの3枚(正確に言うと「ダイヤモンドダストが消えぬまに」からすでにその兆候は見られたのですが)があまりにも衝撃的過ぎただけで、この「DAWN PURPLE」だって、なかなか、だと思うのです。
そんなアルバムのタイトルチューンのこの曲はユーミンが好きだという夜明けの空の色を歌にしたかったと何かの番組で言っていた記憶があります。
ぼくは数年前に父を亡くしました。
遠方に入院していた父を看取ることはできず、ぼくが母と一緒に始発を乗り継いで病院に駆け付けた時には、息を引き取っていたのですが、その時の病院の窓の外からは夜明けの紫の空が見えていました。
その時、やっとこの曲の本当の意味がわかったのです。
それまでは、普通にぼくはこの曲を何となく聞いているだけでしたが、今はその時の空の色と父のことを思い出し、しみじみと聞き入ってしまう曲になりました。
ユーミンは死をテーマにした曲が多いと何度かこのブログでも書きましたが、この曲もまさにそんな歌ですね。
ぼくも父以外に何人かの友人たちを見送っているのですが、ユーミンのこういう曲を聴くたびに、彼ら彼女たちのことを思い浮かべています。
ぼくにとってはレクイエムになるのかな。
<用紙&インク>    
KEN'S NIGHT ミニ正方形メモ帳<彩色音楽集>    
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track Thank You for the Music