Y-24 SAVE OUR SHIP

悲しんでいるのなら もう一度求めて
oh Save Our Ship
永遠に漂流する魂だから
せめて今は強く抱いて
見えぬ未来を乗り越える
Save Our Ship
それぞれの光めざし

松任谷由実「SAVE OUR SHIP」
アルバム『天国のドア』より

初めてこの曲を聴いたのは、当時バイトをしていたレコード屋さんで、発売前にデモテープが届き、開店準備をしながらでした。
デモテープが届くのがわかっていたので、1時間ほど早く出勤して、一人で開店準備をデモテープをかけていました。
そして、最後にこの曲が流れた時、気づいたら泣いていました。
まだぼくは大学生で、そんな真剣な恋愛をしたことがありませんでした。でも、そんなぼくはこの曲で歌われるふたりの孤独や悲しさが痛いほどわかり不覚にも涙がこぼれてしまったのです。
あの時、店内には一人しかいなくて、良かった(笑)。
当時ユーミンはこのアルバムが発売された年の夏にテレビの取材でロシアの宇宙プロジェクトを見に行っています。恐らく、その時の体験がこの曲に反映されていると思われます。
この曲が収録された『天国のドア』は発売当初1秒に1枚売れたと言われ、実際に下北沢でぼくがバイトしていた小さなお店では発売日前日に全200枚を売り切ってしまい(つまり今でいうフラゲで購入した人が続出したのです)、1週間ほど入荷されなかったほど売れました。
でも、そんな驚異的な売り上げとは別に、このアルバムそのものが非常に壮大なスケールで作られていて、まさにユーミンの真骨頂と言えると思います。
さて、この曲ですが、お互いに好きでありながらも「それぞれの光めざし」て別れなくてはならなかった二人を歌っているとぼくは解釈しています。
恐らく二人はもう倦怠期を迎えた関係なのでしょう。そして別れを決意する。強く愛し合ったからこそ、それぞれの夢に向かって、生きて行こうと…。
Save Our Shipとは「SOS」のことですが、お互いにSOSを発しながらも、ふたりの魂は永遠に漂流していくともとらえられます。
なんだか、今回の投稿は(いつも思いつくがままに書いているのですが、今回は余計に)支離滅裂になってしまいましたが、この曲はライブでもライティングがとても美しい演出が多いので、今年開催されるツアーでもぜひ歌って欲しいなと勝手に思っています。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<雪山冬休暇>    
KEN'S NIGHT 1st Track 08 Smoke Gets in Your Eyes