Y-018 水の影

時は川
きのうは岸辺
人はみなゴンドラに乗り
いつか離れて
想い出に手をふるの

 

松任谷由実「水の影」
アルバム『時のないホテル』より

この曲はロシアのサーカス団と一緒に行われたシャングリラのラストで歌われた曲としても知られている名曲です。間奏の時にユーミンがメンバー紹介をしたのですが、ロシアのメンバーの全員をフルネームを次々と紹介していき、それがファンの間でも話題になりました。ちなみに、ぼくは見ていないのですが、ユーミソ(清水ミチコ)はロシアの歴代の大統領の名前を呼んだそうです。
さて、この曲も非常に奥深い曲だとぼくは思います。
人生とはなんぞや?という哲学的な問いかけをしているように思います。それを、失恋になぞらえて歌っているところがユーミンらしいのではないでしょうか。
人生というのは、出会いと別れの繰り返し。
そして、人は誰もが旅人のようなもの。
いろんな出来事があり、それらを想い出として人生という旅を続けていく。
そして、この曲の中でもう一つ注目したい歌詞があります。

よどみない浮世の流れ
とびこめぬ弱さ責めつつ
けれど傷つく
心を持ち続けたい

これはどういう意味でしょうか。
ぼくは「よどみない浮世の流れ」というのは、例えばそれは結婚であったり、あるいは定職に就くことであったり、というようないわゆる世間一般的な出来事のことのように思えます。
特にこの場合は「結婚」なのかなぁ。
そういう結婚という道を選べなかった自分の弱さを歌っているのではないかと。
ユーミンの歌詞はさらっと聞くと気づかない、奥深いメッセージが潜んでいて、それをユーミンファンの人たちと解読していくのがまた楽しいんですよね。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT ミニ正方形メモ帳<和風三色幕>
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track Thank You for the Music