Y-239 カンナ8号線

カンナの花が燃えてゆれてた
中央分離帯
どこへ行こうか待ちどおしかった
日よう日
いつかさそって昔のように
笑いころげたい
松任谷由実「カンナ8号線」
オリジナルアルバム『昨晩お会いしましょう』より

何度聞いても飽きない曲があります。
そういう曲って、ライブでも毎回のように聞きたいし、カラオケで何度歌っても、気持ちよくなります。
この「カンナ8号線」はまさにそんな曲。
ライブで聞くたびに、毛穴がしびれちゃうくらい楽しくなっちゃうんです。メロディがとにかく心臓にずんずん刺さるというか。
ユーミンのこういう、悲しい内容で泣けちゃうけど踊れちゃう曲って、名曲がすごく多いんですよね。「DESTINY」しかり、「青春のリグレット」しかり。
そして、この曲も良く聞くと、すごく凝っているんですよね。

まずは1番の歌詞

チェックのシャツが風にふくらむ
うしろ姿を
波をバックに焼きつけたかった

これは、彼氏のバイクに乗った情景を歌ったもので、これは思い出のワンシーンなんですよね。

ところが、2番の歌詞の中にこんなフレーズが出てきます。

ドアを開けて波をきこうよ…

これは、車のドアということですよね。
ということは、これは車に乗って、昔の彼のことを思い返しているということになります。

ここで思いつくシチュエーションは3パターンあります。

1)主人公は一人で車を乗ってバイクでデートをした元カレのことを思い出している

2)主人公は別の男と一緒に車に乗っていて、昔のバイクでデートした元カレのことを思い出している

そしてもう一つが

3)主人公は、旦那と一緒に車に乗って、二人がつき合い始めた時のことを思い出している。


というもの。
ぼくは昔は1)だと思っていたのですが、最近は3)かなって思っているんですよ。

いつかさそって昔のように
笑いころげたい

という歌詞は、まさに昔の恋人同志だった時みたいに誘ってよ…という意味にも取れます。

でも

うらまないのもかわいくないでしょう
だから気にせずに

の歌詞の意味が今一つ読み解けない。
もう昔のような二人ではないことをうらまない…ということなのか。お互い様だよね、ということなのか。

でもね、ユーミンの曲って、あいまいにして置いたままの方が、想像力をかきたてられるし、いろんなシチュエーションで聞けるから、その時の自分の気持にフィットするんだと思います。

ところで、この曲、昔のライブバージョンが大好きなんです。間奏の部分にかっこいいベースの音が入ってて、それを聞くたびに、興奮します。最近はあのバージョンでやってくれないので、ちょっと物足りないんですけどね。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<花火摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 02 Autumn in New York