Y-183 フォーカス

臆病な部屋から私を
はじめてよ つれ出してくれたの
世界中がぼやけても 心のフォーカスは
あなたに合ってるから
いつも近くにいて
松任谷由実「フォーカス」
オリジナルアルバム『PEARL PIERCE』より

数年前から、CITY POPというジャンルが若い人たちの間で話題になっているようで、アナログレコードのブームと共に、80年代のCITY POPが再び注目されるようになりました。
ユーミンはまさにそんなCITY POPだと思うのですが、ちょっと毛色が違うように感じることがあります。
ユーミンユーミンというジャンルがもう確立されているから、CITY POPというカテゴリーに入れてしまって良いのだろうか?という個人的な疑惑が生じているのです。
全曲がCITY POPというのではなく、一部の楽曲あるいはアルバムがCITY POPなんじゃないかと。
例えば荒井由実時代でいうと『ひこうき雲』ではなく、『COBALT HOUR』はCITY POPというカテゴリーに入れて良いと思います。同様に松任谷由実時代になると『PEARL PIERCE』がそれにあたるのではないでしょうか。
そんな中でもぼくが特にCITY POPだなと感じる曲がこの「フォーカス」です。CITY POPの定義ってすごく難しいけど、都会的で洗練された音楽、ということになると思うのですが、この曲の持つ独特のグルーヴ感のようなものがまさにCITY POP。
分厚いレンズの眼鏡をかけた冴えない主人公が、素敵な彼氏と出会い、思い切って眼鏡を取ってデートをするという話。
曲の感じといい、正隆さんのアレンジといい、本当に洗練されているし、都会的だと思うの。
地味な曲だけど、心に残る曲だなと思っています。


<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<青色夏休暇>
KEN'S NIGHT 1st Track 04 Night and Day