Y-273 二人のパイレーツ

覚えていてね やさしいうでに
まどろんだ傘の下 ビーチサイド 岩礁
日が没むまで
グラスの中は トパーズの潮騒
近づいて 遠のいて 歩いてきた二人に
ささやくララバイ
松任谷由実「二人のパイレーツ」
オリジナルアルバム『U-miz』より

この曲もキリンラガービールのコマーシャルソングで使われた曲なのですが、実はコマーシャルバージョンとアルバム収録バージョンは全然違っていて、コマーシャルバージョンの方がアップテンポだったんです。本当はそっちの方がぼくは好きなので、いつか音源化してくれないかなぁと思っているのですが。
なんかね、ユーミンそういう曲いくつかあって、例えば、「紅雀」も「暁のシュプール」という長野オリンピックの時に使われた時のバージョンとか存在するんですよ。そういうのをどんどんベスト盤とかに入れれば良いのにって思うんですけど、正隆さんがそういうのを嫌うんじゃないかと勝手に思っています。
さて、この曲は恋人たちの微笑ましい様子を描いている曲で、そこがまた切なくて良い曲です。
「深海の街ツアー」でもツアーの途中からアンコールで使われた曲でもあります。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<波乗夏休暇>
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track Shine ※ラメ入り

Y-272 情熱に届かない~ Don't Let Me Go

きっとそれぞれに思ってた
何を目的に生きてくの
口には出来ない不安を抱きしめて
ずっと ずっと
描いてよ あのときの空
あなたの胸に もう一度だけ
白いキャンバスが燃えるほど
松任谷由実「情熱に届かない~ Don't Let Me Go」

オリジナルアルバム『DAWN PURPLE』より
キリンラガービールのCMソングに使われた曲で、ファンの間ではその時の印象が強いという人もいます。
地味な曲ではありますが、やっぱりサビの部分がちょっと印象的で、そこがユーミンらしい部分でもあります。
青春時代を回顧している歌で、この曲を聴いたばかりの時はあまりピンとこなかったけど、今になってきくと、すごくヒリヒリして聴こえてきます。
若い時ってなんでも情熱を持って取り組んでいたし、夢を追いかけていたりしたけど、大人になるにつれて現実を突きつけられ、夢をあきらめてしまうということがあります。そんな想いをこういう形で歌ってくれていて、とても切なくなっちゃうんですよね。

Don't let me, don't let me go

のところを「ドレミ・ドレミ・ド」と聞こえたという人がいて、全然音が違うじゃん!と突っ込みを入れられていたのも良い思い出!笑笑

ところで、昨年発売された「ユーミン万歳」というベストアルバムとはミックスが全然ちがっているのが良くわかる曲です。

快速電車を~直前から始まるバック音が万歳の方が強く聞こえる。

いつか情熱に届きたい~の後の感想の部分のバックに細かい音が加わっています。

きみがいた夏の~の直前にも新しい音が加えられています。

全体的にも音がよりクリアになっていて、このバージョンに関しては万歳バージョンのミックス、すごく変わって良いなと思います。ぜひ細かい部分の違いを聴き比べてみてください。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<秋景摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track2 Summertime

Y-271 ハルジョオン・ヒメジョオン

川向うの町から宵闇が来る
煙突も家並みも 切り絵になって
哀しいほど紅く
夕陽は熟れてゆくの
私だけが変わり みんなそのまま
松任谷由実ハルジョオンヒメジョオン
オリジナルアルバム『紅雀』より

秋になると聞きたくなるアルバムのひとつに『紅雀』があります。オープニングナンバーの「9月には帰らない」もその理由の大きな一つなのですが、何となくアルバム全体が秋っぽい雰囲気に包まれている気がするんです。
そして、そのオープニングナンバーから続くこの「ハルジョオンヒメジョオン」もそんな秋の雰囲気に満ちあふれた曲です。
ハルジョオンは春の草花として有名ですが、ヒメジョオンの方は秋に咲く花です。だから、ぼくはこの曲は春というよりも、むしろ秋の曲なんじゃないかと勝手に思っています。
それにしても、この曲も難解な曲。

越していった日から 顔も忘れた

ということから、相手はどこかへ引っ越してしまい、それから顔も忘れたということが推察されるのですが、その相手というのは

ヒメジョオンに埋もれて くちづけをした

相手だと思うのです。
では、

私だけが変わり みんなそのまま

とは、どういう意味なんでしょうか。
ぼくは幼い時の思い出を歌っていると思っています。
幼い頃に淡い想いを抱いていた人とのことを思い出している歌。そして、大人になって自分だけが成長したけれども、見ている風景、つまり川向うの町の風景などは変わっていないということなのか。
とか。

この曲を聴くたびに、ぼくが思い出すのは、足立区千住にあった母の実家です。その家から歩いて数分のところに荒川が流れていて、遊びに行くたびにその河原に遊びに行っていました。
その時の風景が思い浮かぶのです。
情緒あふれる、名曲です。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT ミニ正方形メモ帳<赤色日本景>
KEN'S NIGHT 3rd Track09 Preluede to a Kiss ※ラメ入り

Y-270 何もきかないで

もっともっとはやく めぐり会えたなら
悲しい秘密は なかったはずなのに
あなたは私の 私はあなたの面影
離れた町から思い出せば それでいいのよ
だからきかないで どこから来たのか
さよならするまで あなたはきかないで
松任谷由実「何もきかないで」
オリジナルアルバム『COBALT HOUR』より

いわゆるリゾラバ(死語?)ソングなのかしら。
どこか旅先などで知り合ったふたり。
それぞれに待つ人がいることを知っていながら、心の隙間を埋め合うような関係になったふたり。
まぁ、いわゆる不倫のような関係なのかな。
でも、離れる日が来たけど、それぞれの詳しい連絡先だの、プロフィールなどはお互いに聞くこともなく、離れて行く、という内容で、ちょっと切ない感じだよね。
これを荒井時代に作ったってことがすごいと思うし、詳しい背景を細かく書き込むことなく、シンプルな言葉だけで表現しちゃうところもユーミン的で好きだなぁ。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<青色夏休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Track1 Misty ※ラメ入り

Y-269 返事はいらない

昔にかりた本の中の
いちばん気に入った言葉を
おわりのところに書いておいた
あなたも好きになるように
松任谷由実「返事はいらない」
オリジナルアルバム『ひこうき雲』より

1972年7月5日にリリースされたユーミンのデビューシングル曲。
デビュー曲にしてはすごく地味な曲。
ユーミンのことをあまり知らない人だと、ユーミンのデビュー曲って、「ひこうき雲」なんでしょ?って言う人もいるかもしれないけど、この「返事はいらない」がデビュー曲です。
でも、その地味な感じがいかにもユーミンらしいと思うのです。
シングルバージョンとアルバムバージョンは全然違うんだけど、特にシングルバージョンの方は楽器の演奏とかも粗削りな感じがして、そこがまた良かったりする。
歌詞もすごくシンプルで、初々しい感じがするし、奇をてらっていないところが良いなと思うのです。
今聞くと、素朴な感じもするけど、当時の日本の音楽の状況からすると、ものすごく画期的だったのかしら。まぁ、でも最初のシングルとしてのセールスはそんなに良いわけではなかったらしいけど。
玄人ウケする音楽だったのかなぁ。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT ミニ正方形メモ帳<赤色日本景>
KEN'S NIGHT 3rd Track02 Tea for Two

Y-268 今すぐレイチェル

ロックがほどけて 涙で笑って
夢から現へ ゆっくり記憶のドアが開く開く
今すぐレイチェル きみを救いたい
電脳の森で
出逢ったエンジェル かならずリアルな愛をつかもう
松任谷由実「今すぐレイチェル」
オリジナルアルバム『ROADSHOW』より

ユーミンの好きな映画「ブレードランナー」から着想を得たと曲です。
ちょっと未来チックなアレンジも好きだし、ロードショーツアーの時にこの曲を歌った近未来的な衣装も印象的でした。
映画を知っていないと、この歌詞の内容をちゃんと理解することはできないけれども、何となく近未来的な恋愛(バーチャルな恋愛)を描いているのかなぁっていう気もします。
後半にかけて、ユーミンの声にエフェクトがかかり、電源が切れるかのように演出されているところが映画を見ているみたいで好き。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<流星摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Bonus Track Frozen ※ラメ入り

Y-267 シャンソン

夏の盛りには知らなかった 雨の調べ
無限の影の色
ひとつひとつに名前をつけて
あなたに贈るかすれゆくシャンソン
苦しみさえも美しく やがて藻くずに還るとも
あなたと逢えた歓びを 忘れない 忘れない
松任谷由実シャンソン
オリジナルアルバム『POP CLASSICO』より

なんかね、個人的な話なので、あまり気にしないで欲しいんだけど、『POP CLASSICO』って、あんまり聞き込んだアルバムではないんだよね、なんかね、特にラストの「シャンソン」と「MODELE」はね、重くて重くて、仕方なかった。歌詞の内容も重苦しくて、受け入れられなかったんだよね。
今でもその傾向はみられるけど…。
でも、年を重ねないと理解できない歌詞でもあるので、これから少しずつ聞けるようになるのかなって思っています。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<雨景摩天楼>
KEN'S NIGHT 3rd Track 10 Unforgettable ※ラメ入り