Y-163 TUXEDO RAIN

忍び逢う恋はきのうまで
もう二人は離れない
ただゆっくりと ただひっそりと
腕を組みすすんでゆく
やるせなく でも誇らしく
舗道打つ拍手の中
灯の消えたウィンドウの前に
二人 今 誓い合うの
松任谷由実「TUXEDO RAIN」
オリジナルアルバム『ダイアモンドダストが消えぬまに』より

ユーミンの雨の歌って、失恋とかそういう感じの曲が圧倒的に多い気がするのですが、この曲だけは表面的には幸せな歌。
それまでの「忍び合う恋」から、晴れて公認の仲になった二人が、雨の中で結婚式を挙げるというような内容。
でもね、幸せいっぱいという感じではないところがユーミンマジック。
ちょっと切ないのよ。
全体的に哀しみに包まれていて、ぼくはこれをライブで聞いた時に、実はこの曲って、願望を歌っているんじゃないかって思ったの。
実はまだ「忍び合う恋」の真っ最中で、いつか祝福されるような関係になりたいと願っている歌。
そう思ったら、泣けて泣けて仕方なかった。
なんだ、結局この曲も悲しい雨の歌なんじゃないか!って思ってしまったの。
でもね、ユーミンの曲の根底にながれているのは、そういう悲しさでもあるからね。
そこに彼女なりの美学がある。
<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<雨景摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track 5 A Night in Tunisia ※ラメ入り