Y-005 コインの裏側

雪が降りそうな 銅色の空よ
消え残す熱を 伝えておくれ
Love songs, but sad songs 口ずさみながら
They sing, and I sang 忘れようとした


松任谷由実「コインの裏側」
アルバム『Road Show』より

すれ違う恋人たちの心境をコインをたとえに歌った失恋ソング。
愛しているのに、離れなくてはならなくなり、まだくすぶっている主人公の揺れ動く心が気だるいリズムとともに歌われていて、ぼくは結構好きな曲です。
人間の気持ちって、本当に複雑で、理屈じゃない部分が非常に多いと思うんです。こと、恋愛に関しては、白黒はっきりと区別できないところがあります。それをどちらが裏側なのかがはっきりしないコインのようだと歌っていて、聞けば聞くほど深いなぁと思うのです。
この曲の歌詞で注目して欲しいのがCメロの部分。

舞いだした白い羽根 受けとめて
ワイパーを 動かさず

この表現は、『Wings of Winter, Shades of Summer』に収録されている「Wings of Winter」でも

窓には冬の翼が白いダウン降らせてる

という似たような表現で歌われています。
まさに雪の降っている様子を見事に表現していて、ユーミンは本当に詩人だなと思うんです。


<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<雪原冬休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Track11 What a Differnce a Day Made