Y-029 Midnight Scarecrow

人は何も持たずに生まれ 何も持たずに
去ってゆくの それでも愛と出会うの
君の荒野を渡って 冬の雲を吹き流す
風になるよ しばらく 受話器をそのままあてていて

松任谷由実「Midnight Scarecrow
アルバム『KATHMANDU』より

この曲が発表された頃、ユーミンはラジオ番組か何かで「人は何も持たずに生まれ、何も持たずに去ってゆく」という言葉を何かで読んで、それを歌詞にしたと言っていたような気がするのですが、それが一体なんだったのか忘れてしまい、ネットで調べてみたら、「タルムード」というユダヤの格言が詰まった書物に「人間は何も持たずにこの世に来て何も持たずにこの世を去る」という言葉があるようです。また、聖書の中でも「わたしたちは、何も持たずに世に生まれ、世を去るときは何も持って行くことができない」という言葉があるみたいですね。
でも、これは本当に真理です。
それでも、愛と出会ってしまうことで、愛する喜びを知るわけです。
この曲は究極のラブソングなんだと思います。
昨今のシンガーソングライターの軽薄なラブソングなんて足元にも及ばないほど哲学的な歌詞をラブソングになぞらえて歌っているところにユーミンマジックを感じませんか?

ところで、この曲、ぼくは大好きな曲なのですが、宇宙図書館ツアーの時の演出(変なアニメをバックに歌われたのです)があまり好きではなく、しばらくの間、この曲を封印していました(だって、15回ぐらい見に行って、その時間だけが苦痛だったんだもん…汗)のですが、やっと最近、フラットな気持ちでこの曲を聴けるようになりました。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<雪原冬休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Remix Frozen Meltdown Mix