Y-26 私のフランソワーズ

街の上で 溶けてゆく夕映えを
窓にもたれ じっとながめていたい
私のフランソワーズ
あなたの歌に 私は帰るのよ
夕焼けの鳥のように

荒井由実「私のフランソワーズ」
アルバム『MISSLIM』より

 

 

荒井由実時代を代表する曲のひとつ。
フランソワーズとは、フランソワーズ・アルディのことです。
ユーミンは子どもの頃から色々な音楽を聴いて育っていますが、フレンチポップスも好きだったようです。
フランソワーズ・アルディの歌をぼくが初めて意識して聞いたのは、「Comment te dire adieu(さよならを教えて)」という曲なのですが、この曲、ぼくは浅野ゆう子お姉さま主演のトレンディドラマで使われて知ったんです。
そんなフランソワーズ・アルディを子どもの頃から聞いて育ったユーミンにとっては憧れの人だったのでしょう。
この曲では「あなたの顔 写真でしか知らない」と歌われていますが、1996年にユーミンはそんな憧れのフランソワーズ・アルディと対談をしています。(「フラウ/FRaU」1996年10月22号(No.123))
その対談記事はとても魅力的なものでした。
まだ十代だったユーミンがどんな想いでアルディを聞いていたのか、この曲を聴くたびに、思うのです。
でも、それって、高校生時代、ぼくがユーミンを聞きながら育った自分と重ね合わせることでもあると思います。
今でもぼくは「街の上で溶けていく夕映えを窓にもたれじっとながめ」ながら、この曲のことを想い、そしてそれを歌うユーミンの想いにも想いを馳せるのです。
こうやって良い曲、そして良いアーティストというのは聞き継がれていくんですね。
ぜひ、みなさんもフランソワーズ・アルディの曲も聞いてみてください。きっと、十代の頃のユーミンの気持ちが少しだけわかるかもしれませんよ。

<用紙&インク>
KEN'S NIGHT 五線譜箋<秋景摩天楼>    
KEN'S NIGHT 1st Track 02 Autumn in New York